アウトドアスポーツイベントでの救護ディレクション

Tight medical worksでは、トレイルランニングを中心としたアウトドアスポーツイベントでの救護ディレクション&救護チーム派遣を行っています。

アウトドアスポーツイベントにおける救護の特徴

マスギャザリング医療+野外医療

マスギャザリング医療とは、お祭りやスポーツイベントなど、人がたくさん集まる状況で複数のアクシデントが併発するようなリスクを考慮した救急医療体制のことです。

マラソンにおける救急医療はある程度体系化されていますが、都市の救急医療体制と連携できるということが前提になっています。

しかし、山間部などでのアウトドアスポーツは都市型スポーツとは全く違い病院へのアクセス・連携が容易ではありません。そのためマスギャザリングの考え方に加え、野外医療の視点を加えていかなければなりません。

救護体制構築の意味

リスクの高いアウトドアスポーツの現場において、ランナーの生命を守り傷病を最小限に抑えます。

万一の事故の際、救護対応に不備があれば、イベントのブランドイメージが低下するのみならず、大会の存続に関わります(社会的な信用失墜、SNSでの炎上、事後処理などの労力、金銭的なダメージ)。

救護体制の構築のために

アウトドアスポーツイベントでの救護体制を構築するため、以下ような事前準備を行います。

  • レース環境の把握、電波状況、エスケープルートの調査
  • 公的救助機関・医療機関との連携体制の構築
  • 救護スタッフのリクルート・配置・教育
  • 救護物品(AED含む)・安全管理用デジタルデバイス(GPS他)の手配
昨年使えた場所でも、今年は落石や倒木などで使えない場合もあるので、毎年コース、エスケープルート全体のチェックが必要です。
救護スタッフのトレーニング用に教材も用意し、救護チームの基本的な考え方や基礎知識などを共有しています。熱中症ランナーの冷却法 動画の撮影風景。
さらに体系的な知識技術を身につけるために、野外災害救急法教育機関とも連携を図っています。

イベント時の救護体制

イベント本番では準備に基づいて救護体制を確立します。

イベント本部の中に救護本部を設立し、イベント全体を把握します。救護本部に情報を集約し、救護所はもちろん、コース上全体で、救護スタッフができるかぎり迅速に対応できるようコントロールします。

緊急時には、地域消防などの公的救助機関とも連携して対応します。

大会本部の様子 Mt.FUJI 100より
大会本部の様子 Mt.FUJI 100より
トレイルランニングレースでの救護体制
トレイルランニングレースでの救護体制の概要例

野外救急法

山間部など過酷な自然環境、限られた携行資材、医療機関での処置を受けるまでに時間を要する状況を想定した救急法。

単純に応急処置を学ぶというだけではなく、どんな状況でも傷病者を適切に評価し、行動計画を立て実行するための判断基準を身に付けます。

アウトドアスポーツイベントの救護スタッフにとって真に拠り所となる考え方です。

Tight medical worksでは国際的な野外災害救急法教育団体 Wilderness Medical Associatesの野外災害救急法のコース開催を行なっています。

野外災害救急法
Wilderness Medical Associates Japan

WMA野外災害救急法は知識で終わらせず、現場で行動に移せるよう実技セッションに多くの時間を割きます。
国際基準の救護知識・技術を手にした受講生たちはトレイルレースやアウトドアフィールドで、そして災害現場でも、周囲の人を助けられる存在として力を発揮して行くでしょう。